『Ⅰ部』 第1章~僕~

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ペシルはそう言うけど、心配だ。 「『ダンティルス!!』だなんて、怒鳴りやしないよ」 「僕には、分からない。ペシルとは暮らしたいけど、今のままでも十分だよ」 ペシルのお母さんと僕は仲が悪いからだ。ペシルのお父さんとは、凄く仲がいいのだが。 「おいおい、悲観的になるなよ」 「まぁ、電化製品を拾うのは趣味だからさ」 ペシルが溜息をつく。 「ダントって、変わってるな」 僕は、真剣にペシルを見た。 ペシルも分かってる。僕が何でこんな事をするのか、が。 「理由になるし、あまり……ペシルのお母さんを傷付けずに済む。接触しないで済むんだ。それに……」 「クリセフのせいでもあるしな」 ここにはいない人物をあざけた。 「それもそうだ」 と、その場で笑っていると、人影が僕達に近寄ってきた。通行人とは、気配が違う。
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