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ペシルはそう言うけど、心配だ。
「『ダンティルス!!』だなんて、怒鳴りやしないよ」
「僕には、分からない。ペシルとは暮らしたいけど、今のままでも十分だよ」
ペシルのお母さんと僕は仲が悪いからだ。ペシルのお父さんとは、凄く仲がいいのだが。
「おいおい、悲観的になるなよ」
「まぁ、電化製品を拾うのは趣味だからさ」
ペシルが溜息をつく。
「ダントって、変わってるな」
僕は、真剣にペシルを見た。
ペシルも分かってる。僕が何でこんな事をするのか、が。
「理由になるし、あまり……ペシルのお母さんを傷付けずに済む。接触しないで済むんだ。それに……」
「クリセフのせいでもあるしな」
ここにはいない人物をあざけた。
「それもそうだ」
と、その場で笑っていると、人影が僕達に近寄ってきた。通行人とは、気配が違う。
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