僕と悪魔と空の飛びかた

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━成長とか生長とか━ 悪魔が笑う。 「足りない。足りないな。少年。」 僕はいつも不様だ。 「まだ足りないの?」 肩が痛い。 さっき打ち付けたのかもしれない。 じんわりと広がる鉄の味。 悔しい。悔しい悔しい悔しい。 「飛ばせてよ。」 痣だらけの体いっぱいに訴える。 「渇望しろ。少年。」 悪魔は笑う。 「意地悪なやつめ。」 精一杯の悪態を、悪魔は笑って受け流した。 それもまた悔しい。 けれど僕は、少しずつ大人になる。
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