僕と悪魔と空の飛びかた

5/8
前へ
/8ページ
次へ
━願って願って堕ちる━ 時間が経った。 空を飛ぶのを忘れた僕は、惨めに地を這う? いや、誇り高く地面を踏み締める。 「空を飛ばなくていいのかい?」 悪魔の声が聞こえた。 僕は振り返らない。 「僕は歩く。僕はこの両足で歩くんだ。惨めに思うかい?」 悪魔は笑わなかった。 「飛ぼうよ。空。」 酷くか細い声。 今までとは違う。 「飛ぼうよ!空、飛びたいだろう?飛ぼうよ!」 必死の叫び声。 振り返ったら、悪魔がいた。 なんてやせっぽっちで小さいんだろう。 幼い記憶の悪魔は、どんな奴だったろうか。 今はとても 惨めだ。
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加