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━願って願って堕ちる━
時間が経った。
空を飛ぶのを忘れた僕は、惨めに地を這う?
いや、誇り高く地面を踏み締める。
「空を飛ばなくていいのかい?」
悪魔の声が聞こえた。
僕は振り返らない。
「僕は歩く。僕はこの両足で歩くんだ。惨めに思うかい?」
悪魔は笑わなかった。
「飛ぼうよ。空。」
酷くか細い声。
今までとは違う。
「飛ぼうよ!空、飛びたいだろう?飛ぼうよ!」
必死の叫び声。
振り返ったら、悪魔がいた。
なんてやせっぽっちで小さいんだろう。
幼い記憶の悪魔は、どんな奴だったろうか。
今はとても 惨めだ。
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