酸漿

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貫かれたい。 腹をナイフで引き裂かれながら、 内臓を指でぐちゃぐちゃとこねくりまわされながら、 貫かれたい。 腐った酸漿のような、 わたくしの内臓…食べて。 テラテラと血糊で濡れ光る、 心臓も、 糞の詰まったソーセージも、 添加物の油を吸って澱んだ子宮も、 みんなみんな、あなたに食べられたいの。 あなたは酷い人だから、私の懇願など無視し、 それらをナイフでぐちゃぐちゃにかき混ぜながら、切り落とし、 残らず床にぶちまけてしまうのでしょうね。 腕の中で、絶望に打ちのめされながら、息絶える私をまじまじと見つめて、 嬉しそうに笑みを浮かべて満足するのでしょう。 ああ…、 貫かれたい…。
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