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私の家は母子家庭だった。
私が中学1年の時に両親の離婚を告げられたあの日を今も鮮明に覚えている。
まだ離婚という事に対して世間の目が厳しい時代だった。
「離婚した家の子供は…」
よくそんな言葉を耳にしていた気がする。
それでも母は一人っ子の私を必死で育ててくれた。
どんなに心配や迷惑をかけてもそれでも育ててくれていた。
中学3年のとき、初めて私はそんな母に対していつか親孝行したいと思うようになった。
お金で困っている姿を隠し私を育ててくれた母に親孝行したいと…
若いうちに結婚したため、資格がなく、仕事に困る母の姿は私に影響を与えた。
資格のある仕事…
そして愛して結婚した相手といつか離婚しても女一人の稼ぎで生きていける仕事…
世間がしっかりしてるねと言ってくれる仕事…
-看護師-
そんな冷めた現実的な夢。それが15歳の私が、未熟で無知な私が抱いた夢でした。
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