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絵画を沢山みたいという単純な理由で目的地を銀座に決めたものの、場違いなカジュアルな出で立ちに少し恥じらいを感じました。 ワタシはこう見えても文化人なのです。 何せヒロインですから。 知的好奇心を満たしたいがために、恥じらいも忘れ、右へ左へとゆっくり歩を進めます。 気持ちは高まる一方で、ヒロインの私は道に迷い、警備員の方を執事に見立て、案内をしていただくのです。 如何にも妖しい雰囲気を醸し出す扉の前に立ち、階段を登ります。 エレベーターなんていう現代の産物は使いません。 文化人ですからね。 多少疲れようとも、譲れないポリシーなのです。 画廊のひっそりとして、どこか暖かくて、どこか冷ややかな空気にあてられ、目眩さえするほど。
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