324人が本棚に入れています
本棚に追加
2000年夏…
当時5才になる一人娘を連れた内海は3才年上の奥さんと3人で海水浴に向かった。
和歌山県とは言え大阪に近い海ではあるが、打ち寄せる波の透明度は高く夏の日差しを照り返しキラキラと輝いて眩しく迎えていた。
夏休みに入って海には人があふれていた。
『やった!ここ空いてるやん』
内海は砂浜に荷物を降ろした。
『もぉ~パパ!ここはゴミあって汚いっ』
娘の美空(みく)が言った。
『ほんまや…空いてる訳やな』
もう歩き疲れたようにうなだれる内海。
『ちょっとゴミ片付けたら大丈夫やん。りな!ゴミ袋持って来てたわな?』
『あるある。美空も手伝って』
と、娘に微笑みかけかけてお手伝いをうながす母親は荷物からゴミ袋を取り出した。
『もぉ~誰や!ほんまマナーなってないなぁ。こんなんやから世の風俗が乱れるんや!地球温暖化が進むのも…』
『訳わからん事言うてるパパもゴミ拾って!』
『は、はいっ』
『あははは~パパ何言うてんのー』
美空が笑った。
『もう笑ってくれるの美空だけや~』
最初のコメントを投稿しよう!