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キィン、キィン、キィンと何度も何度も壁に当たるごとに金属音が鳴り響く。
敵の武器は数えられる量ではない。
無数の武器。
剣、短剣、槍、戟、弓矢、刀、斧。
さまざまな種類の武器がある。
そのすべてが世界の壁に当たり力を失った後、パキィィンと音をたてて消滅する。
「ぐっ!!」
世界の創り出した壁が歪み始める。
俺は世界の顔を見た。
明らかに消耗した顔だった。
すでに限界を超えているのがわかる。
おそらく、いまだもっているのは世界の強靭な精神力のおかげだろう。
だが、それさえも無くなったとき、俺と世界に守るものはなくなり、無数の武器が俺たちを貫く。
壁の歪みが大きくなっていく。
もう限界なのか。
俺は死を覚悟した。
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