引き裂かれた二人

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しかし、世界の壁が消えたと同時に敵の無数の武器による猛攻も収まる。 なぜかわからない。 だが、俺の頭にはそんな疑問など無く、ただ助かった事実を喜んでいるだけだった。 すると、俺の前に体を乗り出していた世界がドサッと倒れた。 「世界!!」 俺は倒れた世界を抱える。 目を閉じ肩で息をしていて、明らかに衰弱している。 「世界、おい、世界!!」 俺は必死に呼びかける。 だが、世界からの返事はない。 「くそっ!! どうすればいい」 「どうすればいい……か。君はどうすることもできないな」 俺の背後から聞こえる男の声。 俺は飛びあがり世界を抱えて距離をとる。 「正しい判断だ。と言いたいが残念だ。今回、その判断は失敗だ」 何を言っているんだ? 俺は当然の疑問を持つ。 だが、その疑問は足に走った激痛によって霧散した。 「つっっ!!」 俺の右足に現代的な装飾でできたナイフが刺さっていた。
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