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「君に選択の権利をあげよう。そこの女、月佐野世界を私に差し出せば君の命は助けてやる」
ドクンッと俺の心臓が脈打つ。
体中が熱くなっていくのがわかる。
俺は静かに言う。
「その選択肢に俺が生け贄になる代わりに世界を助けるっていうのはないのか?」
「君の名前は夜咲木慎だったかな?」
「ああ」
俺は答える。
「一つ確認しておこう。私が欲しいのは月佐野世界だ。君じゃない。私からすれば君はただの月佐野世界のおまけだ。勘違いしないでいただこう」
「そうか」
俺はそう言って一気に息を吸い込む。
そして男に向かって吠える。
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