Mother's Wedding Band

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これは僕たちがやるちょっとしたゲームだった。母が怒らないと誓うまで僕は母を困らせたものだった。それから母は降参して僕に気前よくつまみ食いをさせてくれるのだった。僕は決まって夕食を存分にもらっていた。 でも今回は僕はそのゲームを始めなかった。 「おかあさん」僕は言った。「卒業式のことなんだけど…」 「なに?」母はコンロの上でフライパンを動かしながら答えた。 「僕は一等賞のメダルをもらうんだ」僕は言った。
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