序章

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爽香との通信を終えた後、ふと思い出した。 「そういえば陽はどうしたんだ?もう来てもいいはずなのに」 鷹視と爽香の他にもう一人陽という少女がいるのだが、まだ空き地にやって来ていない。陽は爽香と同じ役割でケモノ―《ハーツウルフ》をおびき出す役だったのだ。 鷹視達はただケモノ退治をしているわけではない。金稼ぎをしているのだ。                彼女達は《償金稼ぎ》という仕事をしている。ただの償金稼ぎではない、《ハーツ狩り》を生業としている。            ハーツとは、16年前に地球に落ちてきた隕石の影響で異能力をもった生き物の事だ。動物、人間など、思考能力がある生き物に発生するらしい。らしい、というのはまだ研究が進んでいないからだ。世界中の政治や経済が破綻した現在、研究をするような状況にないのだ。 ただはっきりしているのは、動物のハーツは巨大化し身体能力が上がる。人間のハーツも身体能力が向上し、体から《凶器》を出す事が出来る、という事だ。 そして、重要なのは      『ハーツはハーツの者しか殺せない』 という事である――
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