序章

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ハーツが犯罪を犯してもただの人では捕まえるのが難しい。その影響で治安が悪くなったのだが、政府はそれでも何とかしようとしたのか、ハーツに償金をかける事にした。鷹見達はその償金首を狩る事で生活している。もっとも、人を狩る事はめったになく、償金の安いケモノを狩る日々だ。 今日もいつも通りに狩りをしていた。が、いつまで待っても陽から連絡が来ない。 「何してんだ?方角でも間違ったのか?」 そうつぶやきながら無線で陽を呼び出す。 『ガガッ―――――――』 つながってはいるようだが返事がない。とりあえず呼びかける。 「おいっ陽!今から5秒以内に返事しないと脳天ぶち抜くぞ?」 何となく脅してみた。 『ガガッ―――――ハァッ、ハァッ――ひ、どいなぁっ、今それどころじゃないんだよぅ!』 「どうした?何かあったのか?」 酷く息切れしてるようだ。『――ッ囲まれたっ、もうすぐこっち来るぅっ』 「はぁ!?なんで囲まれるんだっ、一匹だけじゃなかったのか?」 打ち合わせではハーツウルフが一匹だけになった所を狙っておびき出す予定だったはずだ。何かヘマでもやらかしたのか。 『―途中で曲がる方向間違って群れに突っ込んじゃったっ!!どうしよう!?死ぬぅ!タスケテェ~鷹見!』 涙声になりながら陽は助けを求めた。 「っこのバカっ!ハーツウルフの群れに突っ込むヤツがあるか!?いいから今どこだっ」 予想外の陽のバカっぷりに鷹見は目を大きく見開き怒鳴り付けた。
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