久遠と夢見

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「やめろ!」 がしっと兵馬の手を掴んだ。兵馬の顔は驚愕に彩られ、彦座はニヤリと笑みを浮かべた。 「…悪いが彦座。アンタに私を差し出すわけにはいかないね」 「…夢真珠よ。まさか保持者の身体を借りるとは思わなかったぞ。その保持者を相当気に入ったと見える」 雛の身体を借りる夢美は冷や汗をかきながら何とか笑みを浮かべる。 ぎゅっと雛の身体を抱き締めて、傷つけまいと後ずさる。 その様子に、彦座はスイッチが入ったかのように、笑いだした。 「フッ、ハハハハハ!それほど大事か、その娘が!?いいだろう、兵馬」 「はい」 スッと兵馬が前に出る。 彦座はいやらしい笑みを浮かべながら夢美を指差した。 「この小娘の四肢を切り落とせ。だが、顔には傷をつけるなよ」 「はい。木火土金水…金」 短刀を取り出し構える兵馬。ぐねぐねと刃が蠢いている。 木火土金水の金の力はその名の通り金属を操る能力。自在に刃を操り、獲物を切り刻む。 質量、体積関係なく働く能力のため、油断すればバラバラだ。 「ったく、何だってこんな能力が多いんだ今回は」 夢美が不敵にニッと笑う。
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