新たな力

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「遅くなってごめん、雛」 「そう、だい」 思わず目から涙が溢れた。壮大は苦笑して雛を木に寄りかからせると、ギッと兵馬を睨み付ける。 「壮大、夢真珠が、」 「何?」 「そうだよ守護。夢真珠はココだ」 ぽん、と軽く投げニヤリと笑う兵馬に、雛は顔を歪めた。 「やめて!」 「さぁどうしようか守護?」 その言葉よりも速く、壮大は駆け出した。兵馬はふんと鼻を鳴らして嘲笑を浮かべる。 「馬鹿め。土の能力で俺に勝てるとでも、」 「木火土金水……火!」 瞬間、兵馬が目を見開き顔に驚きの色が浮かんだ。 「な、に!?」 ゴォ、と壮大の体から炎が噴き出した。そのまま兵馬に突っ込んで、拳を叩き込む。それを刀の腹で受け止めた。ギィン、と鈍い音が響き、すぐにぐにゃりと刀が曲がってしまう。 「ちく、しょう」 兵馬が顔を歪める。 炎の熱で曲がってしまうと能力が効かない。ぱっと距離を取ると直ぐにその刀を捨てた。 「貴様……2つの自然五行を……」 苦々しく呟きながら睨めば、壮大はニヤリと笑みを浮かべて兵馬を指差す。 「この力は、護るための力だ。夢見雛だけを、俺が護り抜くための力」 兵馬はチッ、と舌打ちして夢真珠へと視線を移す。
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