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「何余裕ぶっこいてんだよ。お前の相手はコイツだけじゃねえ」
「っ!」
壮大が思い切り地面に拳を突き立てる。手首まで埋まったかと思ったその時、土が柱の用に飛び出して彦座を吹っ飛ばした。
宙を舞う彦座を、燦の操る気が地面に叩き付ける。
「が、はっ!」
「お前ら!」
「そいつはお前だけの敵じゃないんだよ」
燦が言うや、思い切り彦座を睨んだ。操られていたとはいえ、実の妹を傷付けたのだ。気にしないはずがない。
「あははははっ!面白いじゃないか!ならばまとめてかかってこい!」
くるり。
指を振る。するとドバッと水が竜のようにうねり三人を襲う。壮大が舌打ちをして巨大な炎の玉をそれにぶつけた。
じゅうっと瞬く間に炎が消える。しかし壮大は更に巨大な炎の玉を作る。
「蒸発させる気か!」
「まだお前は火の能力が覚醒したばっかなんだぞ!無理すんな!」
兵馬と燦が言うも、壮大は聞く耳を持たない。
「うるせえ!防がねぇと雛に当たるだろ!」
滝のような汗を流しながら壮大は叫んだ。そんな壮大に一瞬息を飲んだ二人は「わかった」と言って彦座に向かって駆け出した。
しかし彦座はもう片方の手を掲げ指を振る。別の方向から水が二人を襲う。
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