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ほら。まだ貴方は、私を護ろうとしている。
「はぁっ、はぁっ、木火土金水、火!」
ごうっと炎をほとばしらせて彦座へと駆ける。
が、彦座がくるりと指を回せば水が壮大を叩き付ける。バシャッと水が壮大から離れて蛇のように彦座にまとまりついた。
「おやおや。この程度?」
飽きたよとでもいうような顔。
壮大はずぶ濡れになりながらまた、倒れた。
「壮大!」
また、呼んだ。
酷く緩慢に振り返った壮大は、見ていられないほど、苦しそうだった。
雛は、意を決して、叫んだ。
「お兄ちゃん!久しぶりに会えて、すごく嬉しかった!離れていたけど、私はお兄ちゃんが大好き!」
「雛、」
何で今、そんなことを言う?
まるで今から、
「兵馬さん!操られていた時は怖かったけれど、貴方はすごく好い人だよ!惚れた、なんでびっくり、したけど!今思うと嬉しかった!」
「夢見雛、」
傷付けたんだぞ。何でそんなことが、言えるんだ。
ああでも、そんな貴女だから、
「壮大!!」
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