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こくん、と喉を通る。
「な、なにをした!?」
「夢真珠って、腕に埋めてたろ、飲み込んだらどうなるんだ、変わんないのか!?」
兵馬や燦が、戸惑いながら言うも、壮大は何も言えなかった。
大好きだった
大好きだよ
なんで、そんなこと、今言うんだよ。
そんなん、俺もだよ。
大好きだよ。誰よりも一番、好きだよ。
戦いが終わったら。言おうって、思っていたのに。
「え?」
思わず、声を漏らした。
兵馬や燦も、驚いているのがわかる。
「……なんだ、と」
そして彦座でさえ。唖然とした顔で、言葉を溢した。
雛の、髪が。
桃色に、染まっていて。しゃがみこんで俯いたかと思ったら、パッと顔をあげて。そこには、雛じゃない顔が、あったから。
髪はふくらはぎまで伸びて。
壮大の知らないその顔は驚愕に彩られた顔で、自身の髪を一房掴んだ。
「すう、なんで」
漏らした声は、震えていた。
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