きみがだいすきでした。

9/9
前へ
/157ページ
次へ
「好きだ」 「……!」 「だいすきなんだ。俺と、ずっと、ずっと一緒にいてほしい。ずっとそばにいてほしい。ずっと笑っていてほしい。 俺と、夫婦になってください」 涙が、溢れた。 ただ、何度も何度も頷いた。いっぱいいっぱいな雛を、壮大が優しく抱き締める。 瞬間、ぐらりと揺れる二人の体。 「わ、わぁ!」 地へと落ちていく雛は、ぎゅうっと壮大にしがみつく。壮大はいとも簡単に雛を抱え着地し、「一生、護るよ」と言って雛に口付けた。真っ赤になって、隠すように抱きつく雛を優しく包み込む。 「絶対、幸せにするから」 その言葉に、雛がぱっと顔を上げる。 「違うよ!私は、私はね。 壮大がいれば、無条件で幸せなんだよ!」 その言葉に、壮大は「俺も」と優しく笑った。 手を繋いで、帰ろう。 今日は君の為に、腕によりをかけて夕飯を作ろう。 そしてそれは、これからも。 これから、ずっと、ずっと、ずっと。 私は、 俺は、 きみがだいすき。 end
/157ページ

最初のコメントを投稿しよう!

338人が本棚に入れています
本棚に追加