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「壮大?滝さん来たよ」
「おう、すぐ行く」
滝は家に上がり、雛の前に座った。
「雛、どうだ調子は?」
にこりと笑い、訊ねた。
雛はつられるように柔らかく笑うと、そこそこです、と答えた。
滝はそうかと言うと、一瞬目を伏せた。
「ご用件はなんすか?世間話しにきたわけじゃあないでしょう」
壮大が強めに言葉を発した。
少し怒っているようなその態度に、雛はただ驚いて壮大を見つめるばかりである。
壮大としては、滝のことが雛に刀を突き立てて夢真珠を埋め込んだということしか知らないため、どうしても受け入れられないのだ。
「そのとおりだ。守護であるお前にも、聞いてもらいたい」
そう言って壮大を見ると、滝はクスリと笑った。
「な、なんだよ!」
「いやな……お前……夢真珠の守護というより……」
口に手を当てて、堪えるように笑う。
「雛自身の「雛ー!!俺腹へったぞー!」
慌てて滝の言葉を遮る壮大。
心なしか、顔が赤く見える。
「さっき食べたばっかなのに?」
「あっ、いや、な……」
「ふっ。まぁいい。話、というのがな……」
滝は笑うのをやめ、話し出した。
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