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「確か、今日で夢真珠が体に馴染む……んだよな」
「はい、そうですよ」
滝は、嬉しいような、悲しいような…複雑な表情を見せる。
雛は首を傾げ、滝を見つめた。
「最後の夜は、他と比べものにならんくらい、過酷なものだ……」
「!!」
壮大が勢い良く立ち上がる。
「嘘だろ!?んなの耐えられるわけねぇだろーが!!」
滝は、切なそうに、二人を交互に見る。
雛は苦笑しながら俯いていた。
「それと…夢真珠を狙って、ちらちら動き始めた。気をつけろよ。……壮大」
「なんだよ……」
壮大は滝を見た。
女性のわりにつり目がちのその瞳は、悲しみにあふれている。
「必ず、雛を護ってくれ」
「滝さん」
雛は俯いていた顔を上げる。
滝は辛そうに微笑んでいた。
壮大は、真っ直ぐに滝を見ながら、言った。
「……わかってる。絶対に、護る」
その瞳には、決意に満ちていた。
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