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今……壮大が戦ってる……。
「うぐぅぅ…」
雛はぼろぼろと涙を流しながらうずくまり、苦痛の声を漏らす。
あまりの激痛に、気絶すら出来ない。
焼けるように、熱い。
自分の腕かどうかすら疑いたくなる。
痛い。痛い。痛い。痛い。痛い。痛い。痛い。痛い。
腕は真っ赤になっている。まだ体が、夢真珠を拒絶している。
その時だ。
<ねぇ…苦しい?>
突如聞こえた声。
固く閉じていた瞳を開け、あたりを見回すも、誰もいない。
<ねぇ、辛い?>
また聞こえた。
相変わらず、姿が見えない。
「だ、誰……?」
雛は痛みに顔を歪めながら、絞り出すように問う。声の主はそれには答えず、やがてクスクスと笑い声が聞こえた。
<やっぱり分からない?仕方ないなぁ。じゃあ…会いに来てよ>
「どうやって……?」
<何もしなくていいよ。すぐ済むから>
その声が終わると同時に、雛は激しい頭痛に襲われる。
「うっ!」
雛は瞬く間に、意識を手放した。
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