命に代えても

3/10

338人が本棚に入れています
本棚に追加
/157ページ
今……壮大が戦ってる……。 「うぐぅぅ…」 雛はぼろぼろと涙を流しながらうずくまり、苦痛の声を漏らす。 あまりの激痛に、気絶すら出来ない。 焼けるように、熱い。 自分の腕かどうかすら疑いたくなる。 痛い。痛い。痛い。痛い。痛い。痛い。痛い。痛い。 腕は真っ赤になっている。まだ体が、夢真珠を拒絶している。 その時だ。 <ねぇ…苦しい?> 突如聞こえた声。 固く閉じていた瞳を開け、あたりを見回すも、誰もいない。 <ねぇ、辛い?> また聞こえた。 相変わらず、姿が見えない。 「だ、誰……?」 雛は痛みに顔を歪めながら、絞り出すように問う。声の主はそれには答えず、やがてクスクスと笑い声が聞こえた。 <やっぱり分からない?仕方ないなぁ。じゃあ…会いに来てよ> 「どうやって……?」 <何もしなくていいよ。すぐ済むから> その声が終わると同時に、雛は激しい頭痛に襲われる。 「うっ!」 雛は瞬く間に、意識を手放した。
/157ページ

最初のコメントを投稿しよう!

338人が本棚に入れています
本棚に追加