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「……!」
目を開けると、そこは元の部屋だった。腕の痛みはもうなかった。
夢から覚めたような感覚に、暫く、雛はぼけっと天井を見つめていた。
「っ!壮大!」
慌てて起き上がり、外へと飛び出した。
「え?何なのもう終わり?ちょっ、お前マジよえー……。なぁんか拍子抜け」
「……くっそ……!」
壮大は秋夜を見上げながら睨み付ける。
雛のことが気になってどうもうまく動けない。
「はーあ、つまんね……」
呆れたように溜め息をつき、秋夜は壮大に歩み寄る。
起き上がろうとする壮大の頭を踏みつけ、じとっと視線を向ける。
まるで役に立たないものを見るかのような冷たい視線。
「……あばよ。何にも護れねぇ使えねぇ守護」
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