命に代えても

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あー……。 俺、死ぬのか。 早かったな。 悪い、雛。 偉そうに言っといて俺、お前のこと、護れなかった。 諦念が、壮大の中を駆け巡る。ああ、死ぬのかと、雛への謝罪を心で唱えた。 「壮大……!」 雛が、息を切らせて壮大に向かって走っている。 諦めかけていた壮大は、雛の姿を確認するや否や、「雛!?」と踏みつけられていた足をいとも簡単に振り払い勢いよく起き上がると、雛に駆け寄った。 「うをっ!」 秋夜は思いもよらない反撃に驚き、壮大を見やる。 「っ!壮大ぼろぼろ……」 「気にすんな!……夢真珠、は」 「もう大丈夫!」 「そうか……もう、痛くねぇんだな?」 「うん!」 雛は満面の笑顔を壮大に向けた。 壮大はほっと息をつくと、にやりと笑って、雛に離れるように言った。 「でも……」 雛は心配そうに壮大を見る。 身体中傷つけられて、痛々しい。 「平気だから安心しろ。命に代えても、護るから」 雛は目頭が熱くなるのを感じた。 しかし、ぐっと堪えて、壮大を見つめる。 「うん!」
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