思わぬ襲来

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「……何か今日は騒がしいね」 「……そうだな」 朝食をすませ、くつろいでいるところだった。 何やら、外が騒がしい。 「行ってみっか?」 「うん」 というわけで、二人は騒ぎの中心へと向かった。 そこで見たのは…… 「しゅっ、秋夜さんっ!?」 傷だらけで倒れている秋夜だった。 「どっどうしたんですか!」 あわてて駆け寄り、抱き起こした。 「う……す、雛ちゃん、壮大……」 「何があった?」 「ある、男に……。そいつは、守護の壮大に伝えろ、と伝言を残していった」 壮大の表情が険しくなる。 「……なんつったんだ」 鋭い眼光と厳しい表情で、壮大は口を開いた。 秋夜は痛みに顔を歪めながら、男の伝言を口にする。 「雛を……護るのは、お前じゃなく……この俺……燦だ、と……」 「――っ!」 雛は目を見開いた。 「……確かに、そう言ったのか?」 「間違い……ない。あの男は、燦、と名乗っていた……」 「……雛、一旦家に行くぞ。コイツの手当てしてやってくれ」 壮大はそう言って放心状態の雛の背中を軽く叩いた。 「う、うん」 「……あんま思い詰めんなよ」 「……うん、ありがとう」 壮大は秋夜を担いだ。
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