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「手加減はしない。雛を護るのは俺だけでいい。」
燦は地を蹴った。
「っ!!」
あっという間に壮大との距離を縮めた。
木の鞭を振り上げる。
「ちっ!」
壮大は舌打ちすると、両手を交差させ、受け止めた。
ビシィッ!!
木の鞭が打ち付ける。
「壮大っ!!」
心配そうに叫んだ雛を軽く見やり、壮大は素早く身を引いた。
「心配すんなっ!!土の手甲で防いだから大丈夫だっ!」
それを聞き、雛はほっと息をついた。
土の力はまだ使いこなせているかどうかは微妙だが、中々の硬度なのは、雛も承知していたのだ。
「…本当にそうか?」
「なっ!?」
不敵に微笑みながら燦は木の鞭を振る。
先刻と同じくして、壮大はそれを防ぐ。
その時。
雛の目には、先程とは違う光景が映った。
ビキッ…
「!!!」
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