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ぱたっ…
不意に地面に落ちた液体。
瞬く間に地面に吸い込まれ、赤黒い染みを作った。
「っつ…」
雛は右腕を見た。
切れて血が出ている。
そして、手のひらは…壮大の血で、染まっている…。
私は…どうしたらいい…?
<雛…雛…!!…聞いて…>
「…う…?」
少女の声が聞こえる…。
<泣いてる場合じゃ…ないでしょ?守護、死んじゃうよ…?いいの…?>
よく、ない。
いいわけ、ない。
死んで欲しくない。
でも…
「だ…だって私…何にもできな…」
ぐす、と泣きじゃくりながらちからなく答える。
<っばか!!今君は何もしてない!できないんじゃないの!やるの!!
守護を助けたいんでしょ?
なら…助けるために、最善を尽くしなよ。
彼を…助けたいんでしょう?>
「…うんっ!」
雛はごしごしと涙を拭った。
そして、がばっと勢いよく立ち上がった。
「…助けたい。いつも、いつも…私のことを必死に護ってくれてる壮大を!!」
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