雛の力

9/11
前へ
/157ページ
次へ
「お兄ちゃん…」 ゆっくりと、兄との距離を縮める…。 燦は、歓喜に満ちた顔をしていた。 しかし、それは…どことなく狂ったような、悲しい笑み。 「雛…」 燦が、両手を広げた。 ぼすっ 雛は、兄の胸に飛び込み、ぎゅっ、と手をまわした。 燦は、してやったりといった表情で壮大を見た。 壮大は悔しそうに、顔を歪める。 「雛…俺と、行くよな…?」 「…行かない」 ほわぁっ、と雛の体が光を帯び始めた。
/157ページ

最初のコメントを投稿しよう!

338人が本棚に入れています
本棚に追加