338人が本棚に入れています
本棚に追加
「ひ、彦座様っ…」
燦が、そう呟くと同時に、ぶわっと煙のように黒い何かが、燦の体から噴き出した。
べちゃ、と音をたてて、崩れ落ちる。
そのまま、何の造形も留めていなかったそれは、やがてむくむくと形をはっきりと造り始める。
小さい、人形のような形に。
「っ!てめぇが元凶か!」
壮大がドスッ、と土の手甲で突き立てた。
そのまま、黒い何かは、パン!と破裂し、消えた。
残るは、倒れる燦。
立ち尽くす、雛と壮大。
そして、新たに加わった…謎。
燦の言った『彦座』。
そして、あの黒い何か。
夢真珠をめぐり…
影で何かが動き始めていた。
最初のコメントを投稿しよう!