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<雛。雛!>
誰かが私を呼んでる。
<雛ってば!>
「ひゃ!?」
いきなりの大声に驚いて目を開けると、そこには桃色の髪をした…
「…あ、夢真珠の…」
夢真珠の化身、と名乗る少女。
今更、なんだけど…。
<あのさ、今日は雛に警告をしに…>
「ねぇっ」
私は少女の言葉を遮る。
少女は目をぱちくりと瞬きして私を見た。
やっぱり、普通の女の子と何ら変わらない。
<な、何?>
「私、何て呼べばいい?」<えっ?>
私はにっこりと笑って、言った。
「あなたのこと…何て、呼べばいい?」
少女はキョトン、とした顔で私を見つめた。
うわぁ、可愛い…。
「ほら、あなたは私のことを雛って呼んでるでしょう。私は、あなたを何て呼べばいいのかな、って」
<…それは、私の名前を知りたいってこと、かな?>
少女が、ほんのりと顔を赤らめた…。
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