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「えっあなた名前があるの?」
そう言うと少女はむっと頬を膨らませた。
<なにそれ、いささか失礼だなー>
不機嫌にそう言う少女は、本当に、どこにでもいるような女の子で。
「あ、ご、ごめんなさい…。あの、夢真珠の化身、って言っていたから…名前なんてあると思わなくて…」
すると、少女はくすり、と笑い私を見つめた。
確かに、笑みを浮かべている。
なのに…
あなたがとても…悲しそうに見えるのは、何故?
<あのね…夢真珠の化身なんて言ったけど…実のところは…
私自身が、夢真珠なんだ>
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