338人が本棚に入れています
本棚に追加
「…久遠…」
夢美はぎゅっと自分の肩を抱いた。
何故だろう。
夢真珠となって、もう百年は経っている。
その間、こんなにも…人間のころのことを思いふけるなんてなかった。
どんな奴が保持者になろうと、無関心。
どうでもよかった。
不思議な奴、だ。
雛。
こんなにも、保持者が大切になるなんて。
できることなら…人間だったころに、会いたかった。
ねぇ、雛。
君は初めて、私が大切に、愛しく思った保持者。
失いたくないと心から思った、初めての保持者。
無茶をしないでほしい。
心から、思うよ。
心から、願うよ。
君が幸せであるように…。
最初のコメントを投稿しよう!