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「う…そ、だい?」
雛はむくりと体を起こし、目をこする。
「お前の兄貴、目覚ましたぜ…」
その時、後ろから燦が歩いてきた。
「おに、ちゃん?」
数回瞬きし、雛は燦を見上げた。
燦は目を細め、申し訳なさそうに俯いた。
「ごめんな、雛…」
雛は慌てて立ち上がった。
「も、いいよお兄ちゃんっ」
「よくねぇよ…」
燦は、雛の頬に貼られた絆創膏を親指で触れた。
「…んなぼろぼろにして、俺は…兄貴失格だ…」
グイッ
「…もうやめろよ」
壮大が、燦の胸ぐらを掴んだ。
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