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「謝るンじゃねぇよ…!アンタは、操られてたんだろ…?雛に、重荷かけんじゃねぇ…」
「…!」
壮大は乱暴に手を離すと、ぷいっと背を向けた。
燦はクッ、と軽く笑うと、壮大の頭に手をのせた。
「んなっ何しやが」
「そうだな…お前の言う通りだ」
そしてわしゃわしゃと頭を撫でる。
壮大は嫌そうに手を払い除けるが、燦は気にせず手を離し雛に近づいた。
「他に言うことあるよな。
…ありがとな、雛…。」
優しく微笑み、壮大よりもずっと丁寧に頭を撫でる。
雛の瞳が、みるみる潤み、黒目はゆらゆらと揺れていた。
「…昔っからお前は…涙もろいな」
クスッと笑い、頭を撫で続ける。
「…わかっ…てるもん。
…お、かえり、おにっ、ちゃん…」
嗚咽をもらしながら言う妹を、燦は優しく笑いながら背中をさすってやる。
そして。
「…ただいま、雛」
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