彦座の刺客

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「畜生!!待て!俺はまだっ…」 「…黙れ…」 兵馬は這いつくばる壮大を蹴りつけた。 思わず雛は目をギュッとつむり、無意識に兵馬にしがみついた。 「…!」 「ごぼっ…!雛、待ってろ今…」 「壮大!」 ちっ、と舌をならし、再度蹴りつけようと足をあげた。 「やめて!!!」 突然叫んだ雛に兵馬は驚きながら視線を向けた。 「行く…から、もうやめて…」 ポロポロと涙を流しながら、懇願する。 兵馬はプイッとそっぽを向き、すたすたと歩き出す。 「おいっ」 「夢真珠に免じて…これ以上はしない。夢真珠に感謝するんだな…」 足に絡み付いた鎖は緩まる気配もない。 壮大はギュッと拳を握りしめた。爪が食い込むも、気にせず力を込める。 「ちく、しょう…!」 いつの間にか、赤い血が滲んでいた。
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