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夢美はくすっと笑みを浮かべながら傷口から手を離した。
そこには元の細い腕が覗く。
「私は、夢美。夢真珠の化身だよ。兵馬とやら…操魔にやられてるね?」
「はっ…何を馬鹿な。燦と違い俺は彦座様の信頼を買っている。そんなことあるわけがない」
そう言って雛の血がべっとりとついた刃を舐める。
「はははっ…操魔にやられてないなら尚更だよ。
狂気の沙汰としか言い様がない」
兵馬は何も言わず、刃を軽く振った。
すると、短刀程度でしかなかった刃が長くなる。
「…狂気の沙汰、か。それでも構わない。
彦座様に夢真珠を献上することができるのならなっ!」
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