友達迷路 L‐side

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「あー、んまかった♪」 クリスマス当日。 ユラ様のアドバイスと雑誌でのリサーチを活かして、俺はつつがなくダイシとのデートを進めていた。 お台場で待ち合わせてジョイポリスで遊んで、シルバーアクセの店でピアスまで買った(しかもお揃い!)。 雑誌には『大人気のカフェでスイーツを満喫☆』なんて書いてあったけど、ダイシがカフェ嫌いだから省略した。 そして俺たちは今、夜景の綺麗なレストランでディナーと洒落こんでいる。 メインディッシュも終わったから、そろそろデザートが来るだろう。 ダイシも俺も堅苦しいフレンチの店とかは好きやないから、カジュアルなイタリアンの店を選んだ。 「去年ユラ様と行った店はどこかのホテルのフランス料理屋だったんやけど、ナイフとフォークが10本くらいあってな。どれから使っていいか分からへんかった!」 そう。 ユラ様から去年の様子を聞いた俺は、あえてこっちの店を選んだ。 おかげでダイシも上機嫌だ。 順調や。この上なく順調や。 なのに……なのにどうして…… 「あ、そういえばこないだ貸したAVどうやった?俺としては、もうちょっと大人しめなコ使った方がええと思ったんやけど」 どうしてちっともロマンチックなムードにならへんねん!? やっぱり友達期間が長すぎたからか?男同士やからか? ――いや、そんな問題やない気がする。 きっと、コイツの人間性の問題だろう。 「お前はどう思う?AV大王」 「せやな……確かに素人設定ならもっとメイク薄い方がええし、開脚も控えめな方がええな」 ――それに合わせる俺も俺やけど。 ああ、駄目や。 どうしても普段の二人から抜け出せへん……。
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