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「皆さんも飽きませんね?僕ので良ければ写メってもいいですよ」
桑っちはクラスのみんなに笑顔を振り撒けている
――ほら、桑っち優しい…――
あたしは桑っちの事かっこいいと思うけど、好みじゃない
みんなは写メをとり終えたようで席に着く
みんなが席に着くと桑っちは朝のホームルームを始めた
「今日はですね。男の子の転入生が来てるんですよ?」
そんな事を言うと教室中がザワザワとし出す。
桑っちは、そんなみんなを余所に「入って」と男子生徒を教室へと誘導させた
――見えなーい…っ――
あたしの席は前の入り口から一番遠い後ろ。
みんなが入り口に注目して立っていて、あたしには全然見えていない
でも、これだけは分かる。
みんな何も言わず、ポカーンとしている。
「自己紹介して下さい」
桑っちが言うとボソボソと声が聞こえる
「ん?みんなに聞こえるように言って貰わないと…」
珍しく桑っちが困っている
「しょうがないな…
黒板に書いて貰おうかな?」
そうするとコツコツと黒板に書いている音だけがあたしに聞こえる
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