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ポカーンとしてみんな突っ立っていて、もうあたしは後でいいやとか思って椅子に座った
「烏月翼(オヅキ ヨク)くんです。みんな仲良くしてあげて下さいね?えっと席は…」
桑っちはキョロキョロと教室中を見回す
あたしの方を見るとパアッと明るくなった
「羽鳥さんの隣が開いてますね!一番後ろ、羽鳥さん。烏月をよろしくお願いしますね?」
「あ、はい。」
――やった!これで烏月くんの顔が見れるっ――
あたしは期待しながらビシッと学ランを来た男の子に見入った
「ほら、皆さん席に座って!」
桑っちが一言言うとみんなはハッとなって椅子に座った
一方、あたしは俯き加減で歩いて来る烏月くんを見つめていた
彼は眼鏡をかけていて学ランを校則通りにビシッと決めている。
――あれ…烏月くん左手、怪我してるのかな?――
あたしが一番気になったのは左手の手の平から手首にかかって巻いてある包帯
あたしは何故かその地味な彼、烏月くんに興味が湧いてしまった
その間に烏月くんはあたしの隣の席に無言で座った
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