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まぁ相手は違っているが、一触即発の空気に変わりはなく。
今にも戦闘が始まりそうな雰囲気の中、取り残されてしまった禍斗が、不機嫌そうに咆哮する。
その咆哮を聞いた二人が、同時に禍斗の方へと向くと、それぞれ邪魔をされた事を不満に思う声をあげる。
「邪魔すんな木瓜が!」
「神の天罰が下りますわよ!」
二人同時の、仲良くユニゾンした声に禍斗が怯む。
シュバリエが腕を一振りした事で、激しく蒼い疾風が禍斗へ一直線に駆け巡っていくと、その上容赦なく、少女が叫んだと同時に発生した眩い光も放たれた。
そんな華麗とも言える二段攻撃を避ける術を禍斗が持っている筈もなく、建物が半壊しそうな程の爆音と共に、今度こそ跡形もなく消え去ってしまったのだった。
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