第二章・―喧嘩と依頼―

4/26
前へ
/1105ページ
次へ
 極端な話が、そもそも人間に興味を示さない傾向があるようで、毎回少女が持ってくる依頼に難癖をつけては、あまり動きたがらない素振りを見せるのだ。 「そ、それは。……その……」  話が核心に及んだところで少女が怯む、シュバリエが赤い瞳で睨むと、更に意気消沈して、その場の雰囲気を誤魔化すように紅茶を飲んでから呟いた。 「シューは、……手伝ってくれないのですか?」 「んな事ぁ言ってねぇだろ。俺はただ、どれだけ危険か聞いてるんだ」  今にも泣きそうなリュシュターを前に、長い足を組んでいるシュバリエは、小さくため息を吐いてそう答える。  実はシュバリエが難色を示す依頼には決まって法則があるのだが、同じく肝心なところで鈍いリュシュターもその事実に気付いてはいない。
/1105ページ

最初のコメントを投稿しよう!

601人が本棚に入れています
本棚に追加