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極端な話が、そもそも人間に興味を示さない傾向があるようで、毎回少女が持ってくる依頼に難癖をつけては、あまり動きたがらない素振りを見せるのだ。
「そ、それは。……その……」
話が核心に及んだところで少女が怯む、シュバリエが赤い瞳で睨むと、更に意気消沈して、その場の雰囲気を誤魔化すように紅茶を飲んでから呟いた。
「シューは、……手伝ってくれないのですか?」
「んな事ぁ言ってねぇだろ。俺はただ、どれだけ危険か聞いてるんだ」
今にも泣きそうなリュシュターを前に、長い足を組んでいるシュバリエは、小さくため息を吐いてそう答える。
実はシュバリエが難色を示す依頼には決まって法則があるのだが、同じく肝心なところで鈍いリュシュターもその事実に気付いてはいない。
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