第一章・―闇の中の攻防―

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 その方法とは、人間に服従する事を引き換えに、血を確保する形で摂取するシステムだった。  このやり方ならば、一人の人間に付き従い、その血に合わせて己の身体を“変異”させていく事で。  むやみに血を啜る偏食を未然に防げる上に、契約主が死ぬまで血に事足りない生活を送れる、というメリットまで生まれる。  まぁ、画期的なそのシステムにも一応のデメリットはあるのだが、この状況に直接関係がある話ではない。  しかも今のところシュバリエが問題に直面している訳でもなく、こうして“何か”と対峙しているのだ。  とにかくシュバリエは、面前で殺気を放っている“何か”を一瞥すると、僅かに口角を歪め、紫煙を吐き出した。  闇に浮かぶ、小さく頼りない灯り。  それはまるで命のともし火のように呼吸の動きに、空気の動きにあわせて明るくなり、そして暗くなっていく。  対峙の時間は長いようでいて、短い――。
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