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しかしそう言われても少女は、面白くなさそうにしているシュバリエを見上げているだけだ。
シュバリエは通常の成人男性よりも少し高いくらいの長身で、正反対に同年齢の女の子と並んでも低そうな少女。この二人、並んでみるとかなりの身長差で一見すると、外見が違う親子のようなコンビにも見受けられる。
だが少女はれっきとした人間で、シュバリエとは契約主と契約鬼の関係である。
にも関わらず、少女は思いきり修道女の修行を積んでいる最中の身なのだ。
非科学的な事、というかそれ以前に殺生なんかはもっての外だと思われるのだが、意外とその辺はスルーのようで、少女的にはシュバリエが禍斗に対して攻撃を放ったのが気に入らないらしかった。
少女はだから、あからさまにシュバリエを睨んで肩をすくめる。
「ですけどシュバ。私は暴力で訴えて解決を望もうなどと、微塵も要求していませんことよ」
祈りの最中に突っ込みを入れられた事で、少女はいささか不快そうな表情になると、クロスから手を放して眩い金糸の髪を掻き上げる。
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