木陰の猫と少年

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 僕はフカフカとした芝生の上を歩いていた。  まるで緑の絨毯のようにも見える柔らかい芝生、そしてキラキラと光り地表を温める太陽が僕を優しく包み込む。  ポカポカと温かい春の陽気が、頬を撫でるそよ風が、僕を眠りの世界へと誘う。  目の前に見えて来たのは大きな木、その木の下には太陽の光を遮る大きな影が広がっている。  あそこで寝たら気持ちよさそうだ…。  水玉模様のように、太陽の光が点々と差し込む木陰に、ゴロンと体を寝かせる。  全身で芝生を感じると、僕はゆっくりと目を閉じ、意識を夢の世界へと旅立たせた。
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