魔法少女、優衣

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何はともあれ、当人の優衣ちゃんは結構乗り気なようだ。 自分の荷物の整理が終わると、昼食の準備でもしようと思ったのか、冷蔵庫を覗いている。 しかし、おあいにく様。 俺はほとんど自炊なんてしていないため、冷蔵庫の中身は酒かツマミ類しか入っていない。 それを確認したのか、優衣ちゃんは残念そうな顔で冷蔵庫を閉める。 「あの、お昼、何食べますか?」 「ああ、よかったら、どこかへ食べに行かない?」 「はい。いいですよ」 食材を調達してから調理するには遅すぎる時間帯だ。 「ああ、あと、これから同居するわけだから、いろいろと買っておくべき物があるでしょ?帰りに買い物にも行くよ」 「あ、はい…」 優衣ちゃんは、「必要なものはそろっているのに何で?」といった顔をしている。 優衣ちゃんの荷物の中に、布団がなかったのだ。 まさか、同じベッドで寝るつもりだったのか? 一応婚約者と言うことになっているが、やはり高校生にしてそんなふしだらは認めるわけにはいかない。 というより、俺の理性が吹き飛びそうだ…
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