いきなり同居!

6/10
前へ
/90ページ
次へ
お見合いは滞り無く進んでいるようだ。 もっとも、俺は親父や相手方の両親の言っていることなど聞いていないが… 「それで、仁君は娘のことは気に入ってもらえたかな?」 優衣ちゃんの父親の問い掛けに、俺は言葉が詰まった。 「はぁ、まぁ…」 「はっはっは、こいつはどうも照れているみたいだな」 そう笑い飛ばしながら親父が俺の背中を小突く。 話している様子から察するに、親父と優衣ちゃんの両親は昔からの知り合いらしい。 なんでも、優衣ちゃんが生まれて間もない頃に決めた縁談らしく、親父達はこの日が待ち遠しかったようだ。 「あの、一つだけ良いでしょうか…」 「ん?どうした?仁よ」 急に口を開いた俺に親父が嬉しそうに反応する。 「優衣さんは、高校生なんですよね?あの、高校生なのに結婚の話だとか、ちょっと早過ぎるんじゃないですか?」 暫しの沈黙が襲う。 「ああ、でも優衣も18歳だ。もう立派な大人だよ。」 そう優衣ちゃんの父親が答えると、 「歳の差だとかは気にしてないから、安心して」 母親までもがこう言ったのだ。
/90ページ

最初のコメントを投稿しよう!

63人が本棚に入れています
本棚に追加