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10分ぐらい話をしていると、親父たちが戻ってきた。
「おお、盛り上がっているようでなによりだ」
親父の嬉しそうな顔ときたら、調子のよろしいことで…
「さて、仁も優衣ちゃんと打ち解けたみたいですし、とりあえず、今日のところはこの辺にしておきますか」
お、ついにお見合いも終わりか?
「そうですね。優衣も引っ越しの準備がありますし」
優衣ちゃんの父親の言葉に引っかかるものがあった。
そう、引っ越しとはどういうことなのかと。
「あの、引っ越しって、優衣ちゃん、どこかに引っ越すんですか?」
その質問に、優衣ちゃんの父親が首をかしげる。
「ああ、もしかして、仁君にはまだ話していなかったのでは?」
「ああ、そうだった。忘れていた」
親父が、こちらに向き直る。
「優衣ちゃんは、明日からお前の家で暮らすことになる」
「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
思わず、大声をあげてしまった。
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