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佐藤 渚。
同じ学校にそんな同姓同名がいるという偶然はありそうな、有り触れた苗字だった。
覚えやすいこと、この上ない。
なんて気楽にしていると、信じられない恐るべき自体が招かれた。
「……えっと、ちょっと変わった言おうかと思ったんですけど…思いつかないのできっと次の人が凄いことしてくれます!」
俺は口から「はっ?」という情けない声が漏れた。次の人って…俺だよな?
なんでそんなこと言ってんの?なんでそんなハードル上げてんの?
ボケよりツッコミの方が俺には性にあってると思うんだけど。
この娘が言っていた前半部分には、激しく同意するが、後半部分はミジンコ程も理解出来なかった。
そしてその女の子は座り、周りは俺に向かって視線を注ぐ。
……何、この公開処刑。
はは、何を勘違いしたのか、俺はクラスを盛り上げるムードメーカー的な役職ではないんですが。
どちらかというと、机の横に常にティッシュを装備して分け与えるようなポジションだと思ってたんだけど。
「…………」
さてさて、どうするべきなのだろうか。
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