逆転！！

佐藤 渚

「ってことで、本当にゴメンね？」

「えっ？あ、あぁ。別に気にしてないから」

そういってもらえると助かるよ、これから宜しくねと。
佐藤さんは笑った。

「おやおや、これは驚きました。あの渚さんが女の子…？」

「私はいつでも女の子だよっ！」

「あいたっ」

こんなコントのようなことをする二人だった。
楽しそうだったもんだから、思わず俺も笑ってしまった。そして光も。

光は、目で俺に《この人面白い人達だね》と言っていたようだったから、俺は《さっきの俺のボケみたいにな》と返した。

光は頭を横に振った。

俺の考えていたことと違う捉えて方をしてしまったにちがいなかった。そう思い込むことにした。

それから、俺達は他人から知り合いになったわけだ。

別に運命なんてなくたって、こうやって出会える。

いや、こうして出会ったことが、既に運命と呼ぶに等しい代物なのかもしれない。