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「(うわ~っ、気まずい空気だよ。優君、男の子なんだからお先にどうぞ!)」
「(いや、俺は紳士だからレディーファーストということで譲ります)」
現在D組教室前。
俺達は小声で話し合い、そして譲り合う。
「(優君は見た目的に紳士じゃないから駄目!紳士って言うより執事の方が似合うと思うよ)」
「(どっちも変わんないもんだろ?)」
「(どっちも変わるの!ぜ~んぜん違うんだから!)」
「(はいはい。どっちにしろレディーファーストは変わらない。ではお嬢様。中にお入り下さい)」
「(ほらぁ!やっぱり似合ってるよ?何かサマにってるもん)」
「(嘘だろ?こんなこと言ったの初めてだし)」
「えっ、ホント?初めてにしてはなんか執事魂が宿ってたよ」
「メイド魂みたいに言うなよ。第一、そんなの宿したツモりはないし」
「そしたら無意識に宿してたんじゃない?きっと生まれつきの才能だよ。最初で見抜いた私って見る目あるね」
「こんな才能、あっても――」
「……おいお前ら」
と、話に夢中になっている最中。
顔をあげると何やらお怒りになっていらっしゃる担任様がござった。
……てへっ、本来の目的忘れてた。
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